落とし穴
「問題ありません」と書かせてしまう
この回でいちばん重い失敗です。 「確認してください」とだけ頼むと、AIは最後に「大きな問題は見当たりませんでした」と書きます。その一行が、承認の根拠として残ります。
出させるのは確認が要る箇所の一覧までです。「問題なし」は結論であって、確認の結果ではありません。
合計欄の数字を読んで満足する
合計欄は、範囲がずれていてもエラーになりません。 それらしい額が出ます。明細を足し直させるまで、範囲は見えません。
見た目が整っているので、中も整っていると思う
罫線が引かれていて、桁区切りが入っていて、合計行が太字になっている——これは全部、中の数式とは関係のない話です。 手で打った値にも、同じ書式が付きます。
参照ずれをエラーだと思っている
参照がずれても、Excelは何も言いません。 別の数字が出るだけです。#REF! が出るのは参照先が消えたときだけで、1行ずれただけのときは、正しそうな数字が静かに入ります。
渡した範囲の外を「問題なし」と読む
AIが見るのは、渡したファイルの中だけです。このファイルの数字が、契約書や勤怠の実物と合っているかは分かりません。「確かめていない」と「問題なし」は違います(B8)。
委託先を疑う道具にしてしまう
検収は、相手の仕事を疑うためのものではありません。 誰が作っても数式はずれます。自分が作った表にも同じ手順を通すなら、この手順は関係を悪くしません。むしろ「どこを見たか」を相手に伝えられるので、次の月から直ります。
実際の給与データを入れる
給与表は、実データを入れてはいけないものの筆頭です(B6)。名前・部署・金額が1行に並んでいます。練習は同梱の架空資料でやってください。